2009年12月11日

3つの佐賀ショック。

佐賀1.jpg


昨日、佐賀から帰ってきました。

正直に言うと、出発前まで、私は佐賀県のイメージがまったくつかめていませんでした。
九州の中で、どこにあるのかさえ曖昧なので、まずはガイドブックを買いに、本屋さんに行きました。

ところが、驚いた事に、佐久周辺の本屋さんに数件行きましたが、「佐賀」というガイドマップは売っていませんでした。
「九州」というガイドマップに伊万里や有田あたりが数ページ載っているくらいで、佐賀の情報は意外と少ないのです。

この地味なところ、佐賀県と群馬県は立場が似ているのでは?
と思いました。
群馬県は、栃木、茨城あたりとごっちゃにされていることが多いのです。

そして、行ってきました佐賀県。

観光ガイドにも、インターネットでも教えてくれなかった事で、

「おお、これが佐賀県かぁ」

と感じる事がいくつかありました。

1つ目の佐賀ショックはこれ、何だかわかりますか?


佐賀2.jpg




飛行機から撮った写真です。
海の上に並ぶバーコードのような物体。




佐賀3.jpg



有明海で養殖している「海苔」なのです。
このバーコード状の四角が広がっている様子は、海の中の海苔畑、有明海のマトリックスといった感じです。

こんな風景は初めて見ましたよ! 
と、私は旅の途中で出会った佐賀県民の方々に言ったのですが、

「はぁ、私ら、見慣れちゃってるから・・・」

と、困った顔をされるのでした。





2つ目の佐賀ショックは、全国展開、どこにでもあり、同じ品揃えの「セブン・イレブン」で起こりました。
小腹を満たそうとセブンイレブンに入った私は、レジのおばちゃんに、肉まんを注文しました。

するとおばちゃんは、少しのためらいの後、言いました。

「すみません・・・」

あ、肉まん切らしてるのね。
それとも、まだ温まっていないとか?
と、次の言葉を待っていると、おばちゃんは、私が想像もしなかった答えを口にしたのでした。

「酢じょうゆ、切らしてるんですけど・・・」

え、酢じょうゆ?
佐賀では肉まんには酢じょうゆ必須なの?
と思いながら

「あ、そのままでいいので、ください」

と注文しました。
するとおばちゃんは、肉まんを包みながら言いました。

「マスタードは入れときますからね」

さらなるショックが私を襲いました。

佐賀では酢じょうゆだけでなく、マスタードまで標準装備なの!?
関東の肉まんには、何のオプションも付きません。



肉まん.jpg



その後、フランクフルトを買ったダンナさんから、またもや佐賀ショック情報が。
佐賀のフランクフルトは、串に刺さっていない!
おまけに、ケチャップもマスタードも付いていなかったそうです。

佐賀県では、どういう基準でこれらの調味料類がやりとりされているのか、未だに謎です。



佐賀4.jpg



3つ目の佐賀ショックは、伊万里市の、大川内山という陶器の町で起こりました。
ここは、中国の山水画に出てくるような岩山に囲まれた秘境感あふれる所。
鍋島藩が、幕府や朝廷への献上品を作るために窯を置いて、門外不出の鍋島焼という陶器を作っていたのです。

怪しげな岩山に続く階段を登っていた時の事。
疲れ切った私の目の端に、何か赤いものが。




佐賀5.jpg



それはカニでした。
伊万里が海に近いと言っても、ここはかなりの山を登ったところ、こんなところにカニがいるなんて、びっくりです。

そういえば、昔、九州から来たお客さんと話した事を思い出しました。

「実家でいやになることは、畳の上にカニが歩いている事ですね」

畳の上にカニ!? 

カニは海岸にしかいないものだと思っていた私は、かなりびっくりした覚えがあります。
あのお客さんの言ったことは真実だったのだな、と納得した瞬間でした。

九州に住んでいる方には、

「どこがショックなの?」

と、思われる事でしょうが、関東平野にしか住んだことのない私には、そんな事々がショックで、おもしろかったのでした。

こんな私の小市民的ショックよりも、大砲や、海軍学校を作った鍋島藩や、早稲田大学を作った大隈重信や、歴史的にすばらしい人々がたくさんいる事の方を書くべきかも、と思うのです。

が、思い返してみると、予想しなかった個人的なカルチャーショックに出会った時が一番、

「今、佐賀に来てるんだ」

という実感がわいてきたのも事実なのです。
posted by 智子 at 17:52| Comment(14) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
おかえりなさい!
のり畑とはわかりませんでした。未来的な光景ですね。
肉まんにからしは、塩やきそばにからしくらい、欠くことが出来ないものなのですが、酢醤油ですか、うーん。ラーメンに酢をかける人もいますが、やはり、作った人に敬意を表して何もかけない方がいいと思うけど・・・ところてんも、大阪では黒蜜をかけているのに驚かされました。
伊万里の友達のうちに泊まったとき、トイレが家の外にあって下駄を履いていったのですが、怖かったな。同じ日本でも文化が違って、これだから旅は止められない。
Posted by 進之助 at 2009年12月11日 20:00
このカニは奈良で食べた柿の葉ずしに入っていた沢ガニでは???んん美味しそう。
かに座のわたしとしては、可愛い分身なのですが。
Posted by e-ba- at 2009年12月11日 20:42
私も関東生まれの関東育ちですが、酢醤油と肉まんの組み合わせ、なるほど、おいしそうですよね。

そういえば、「のだめカンタービレ」というマンガがあるんですが、その主人公の天才ピアニスト(でも変人)は、実家は、福岡県大川出身だそうで、のり作りをしてるんですよね。
で、大川って、ほとんど佐賀県にちかい位置にあるって読んだことあります。

ん? 佐賀ネタには遠いですか? 申し訳ない(笑)
Posted by みわぼー at 2009年12月11日 21:51
進之介さん、ただいまです。

のり畑、不思議な光景ですよね。
海中に浮いているのに、こんなにきっちりした形で並んでいるというのがまたすごいです。

ところてんに黒蜜ですか! 塩焼きそばに辛子はおいしそう。今度やってみたいです。旅をすると、土地ごとの常識があるのが面白いですね。
Posted by 智子 at 2009年12月11日 22:09
e-ba-さん、こんばんは。

柿の葉寿司に沢ガニが入っているのですか。それもまた変わった食べ物ですね。
このサイズだから、まるごと食べるのでしょうか。
水瓶座の私でも、かわいそうで食べられないかもしれません。
Posted by 智子 at 2009年12月11日 22:13
みわぼーさん、どうもです。

「のだめカンタービレ」まだ読んだことないのですが、面白そうですね。

確かに福岡県と佐賀県って近いですね。
今回はレンタカーを使ったのですが、佐賀市内から車で走ると、すぐ福岡になってしまうので驚きました。
Posted by 智子 at 2009年12月11日 22:16
 智ちゃん おかえりなさい。

 そういえば、私がまだ幼かった頃、家には土間があり(佐賀のがばいばあちゃんの家と同じ)もっと大きな蟹が(当時あっかんデブという名称)家に入ってきていました。

 これを見ると、ばあちゃんが、「大水の出るばいっ」と言っていました。これは標準語で、大雨が降るから、蟹が家に避難して来ているから、気をつけないかん。という意味です。

 肉まんに酢しょうゆは、普通だと思っていました。あれが無いと、おいしゅうないもんねー


 By 福岡県人 
Posted by ぽっぽ at 2009年12月12日 01:18
九州は福岡県と熊本県しか行ったことないから分かりませんねぇ〜。
「ところ変われば文化も変わる」といったところなのでしょうか!?
Posted by マサ at 2009年12月12日 02:31
ぽっぽちゃん、ただいま、帰ってきました。

おお。やはり家にカニは普通の光景なのですね。
あっかんデブという名前はひゃっかんデブの九州方言でしょうか?

肉まんに酢じょうゆ、2件目のコンビニで初めて食べましたが、おいしかったです。
私の中で、肉まんはパン・主食エリアに位置していたのですが、酢じょうゆをつけると、餃子・シューマイエリアに入りますね。
Posted by 智子 at 2009年12月12日 08:51
マサさんおはようございます。

福岡・熊本に旅されているのですね。
福岡はぜひ行ってみたい地域です。すぐ近くまでは行ったのですが。
同じ日本でも文化の違いを感じるほどおもしろいですよね。
Posted by 智子 at 2009年12月12日 08:55
 智ちゃん こんばんは。

 ひゃっかんデブは、人間に使いますね(おすもうさんクラス大きな人を指します)でも、幼い頃のイジメっこ達は、ちょっとでも、人のいじめの材料を探して、これを言って、からかってましたねー いい言葉じゃないです。

 あっかんデブと呼ばれる蟹は、私達の地域では、「あっかん」と呼ばれ、赤い大きなはさみを持っていて、子供らが捕まえようとすると、その大きなハサミを振りかざして、戦いのポーズをとります。男の子達は、実際挟まれて、泣いてましたね〜
 カニの勝ち!

今頃になって あっかん=「圧巻」だったのか。

あっかん=「赤」だったのか。? 

幼い頃を想い出させてくれて ありがとう
Posted by ぽっぽ at 2009年12月12日 18:26
ぽっぽちゃん、こんばんは。

あっかんとひゃっかんは別の言葉だったのですね。
あっかんデブガニ、見てみたいです。
でも、そんな強そうなカニが家の中にいたら、ちょっとひるみますね。
沢ガニくらいがちょうどいいかな。
Posted by 智子 at 2009年12月12日 23:52
のりの養殖はきれいですね〜!びっくりです。
そうかなぁ〜って思ったのですが、まるで半導体のようでもあるなぁと。
のりは有明産がおいしいなと思っていましたが、実際はこんな風に養殖されているんですね。

伊万里にも行ったんですねね〜いいなぁ〜。
わくわく読ませてもらいました。
かにの色が鮮やかで、普通に町にいるって、関東の感覚とはいや、関西の感覚とも違う感じです。
Posted by ささらー at 2009年12月13日 01:22
ささらーさん、コメント感謝です。
半導体! 確かにそんな感じでした。

伊万里は始め、寄る予定が無かったのですが、ダンナさんに、毎日「いまり〜いまり〜」と呪文をかけていたら、最終日に連れて行ってくれました。
カニの色も、地域によって違うのですね。
Posted by 智子 at 2009年12月13日 14:05
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。